深谷Biiki 第4号
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和菓子というと子どもの頃に食べたまんじゅうや団子、羊羹など素朴なもの。洋菓子と比べて少し地味なイメージがありました。ところが取材して驚きました。お店には、華やかな生菓子から、懐かしさを感じる団子や赤飯、まんじゅう、水菓子など、種類がたくさんあるのです。 もちろん、お店ごとに扱う和菓子に特徴があり、田中屋製菓さんは茶席で楽しむ上生菓子。浜岡屋さんは上生菓子のほか、とら焼きや大福。糸屋さんは最 明治時代から続く和菓子店では、地域の子どもたちの丁稚奉公する場所でもあり、多くの和菓子職人が育ったそうです。しかし、昭和の戦争時代は、砂糖が貴重で入手困難となり、和菓子店も激減。「幸い、お菓子を陸軍飛行戦・陸軍飛行学校(熊谷市三尻)に納めていたおかげで、砂糖は優先的にいただけた」と栄寿堂4代目の女将さん。戦後になると、職業の幅が広がり後継者が育たないことや、洋菓子人気におされて、和菓子店の数は徐々に減っていったそうです。中、羊羹、あんドーナツなどあんこが決め手の和菓子や五家宝。栄寿堂さんは最中やまんじゅう、カステラなどです。 どの店も共通してこだわっていたのが、良い原材選び。「どんなに技術が優れていても材料を間違えれば味が変わる」と田中屋製菓の3代目は言います。気候や毎日の天気で加減が変わると聞き、和菓子作りは本当に奥が深いのだと知りました。 「大学を出て家を継ぐか本当に迷いました。でも自分がやらなくては、こんなに良い店が終わってしまう」と伝統の味を受け継ぐ決意をしたと糸屋さんの4代目は語ります。自分たちと同じ年代での大きな決断。伝統を守ること、そして、お店を受け継ぐことへの決心と覚悟に、本当に感動しました。どの店も老舗とあって、お店の中には商品以外にも時代を感じさせるアイテムがいっぱいでした。取材当日は秋晴れの穏やかな日でした。どのお店のご主人もとても優しく、親切で、貴重な体験をさせていただきました。昔ながらの素朴な味から芸術品のような美しい作品まで時代の流れに影響を受ける店の味を受け継ぐことの難しさ最初の取材は、栄寿堂さんです。朝7時30分からの取材というのに、もう商品がズラリ。和菓子屋さんって、一体何時に起きるの?深谷市稲荷町2-3-47営業時間/9:00~19:00栄寿堂本店AM7:302件目は田中屋製菓さん。昔ながらの住宅地にひっそりと佇む、知る人ぞ知る名店?道に迷いながらも、どうにか到着。ふかや映画祭の会場で「煮ぼうとう」をいただきました。最終日ということで、とても賑わっていました。深谷市田所町4-1営業時間/8:30~18:30田中屋製菓店AM9:30昼食スイーツ男子の一日戦時中の話を聞かせる栄寿堂さんの4代目女将。PM12:00

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